ワタシは社会に出てから6年半ほどブラック企業に勤めていました
当時は「ブラック企業」という言葉がなく、長時間労働が当たり前だと思っていました
ただ同年代の友人からは、仕事が終わらなくて休めない・寝れないなどという話は聞きませんし、就職を喜んだ両親ですら心の底から心配するほど労働時間の長さがハンパではなかったです
長時間労働が悪であるとは思わないのですが、当時の自分に伝えることができるのなら、「そんなに自分を追い込んでまで働かなくていいんだよ」と言ってあげたいかな
なにせ、早出・残業合わせて月に200時間以上が普通でしたから
そんな思いをしても、その勤務先のことを悪く思う気持ちはなく、「あの時のことがあったから今がある」と思えます
まぁ、退職の意向を伝えてから3年間も勤め続けて、時間をムダにしたなというのはありますが・・・
6年半もこのような働き方を続けている人間は、どのようなことを考えながら働いていたのでしょうか? 当時を思い出しながら書いていきます
自分を犠牲にして人のために尽くす
人格者を思わせるようなキレイな言葉ですが、完全に不要な考え方でした
上司には、うつ病になって出社できなくなり行方不明になった人もいて、みんなで探したところ社用車の中で寝泊まりしていました(家族がいるのに・・・)
そうまでして働かないといけないのでしょうか?
当時は自己犠牲の気持ちが強くありました
「この仕事を放りだして帰ったら職人さんが困るから、終電までやって仕上げて帰ろう」とか、「我慢して夜遅くまで働いて仕事を取ってこなければ、あの職人さんの明日からの仕事がなくなってしまう」とか
自分が犠牲になり、他の誰かが幸せになるのならそれで良いといった気持ちをもっていましたし、そんな考え方で頑張る自分に酔っていたような気がします
いまは、「まずは自分が満たされていないと、本当の意味で他人を満足させることはできない」という考えで働いています
どちらが正解や間違いということではないのですが、自分のためにも相手のためにも後者の考え方が健全かなと
3年は続けてみよう
入社してすぐの研修の際に引率してくれた課長代理の人に言われた、「ぼくも最初はしんどかったけど、3年続けたら変わるからがんばって」という言葉を真に受けていました
ただこの言葉は、社会に出ると上司からよく言われるセリフのベスト3に入るかもしれません
実際にその課長代理の人も、「人からの受け売りなんだけど」と前置きしてから言っていましたし
経験上「3年継続」は、あながち間違いでもないなぁと思う部分もあるし、完全に洗脳だなぁとも思う
同じ人間が3年間、まったく同じ経験をできるわけはないので、お互いの3年後の結果を比べようがないもんね
ただ一つ言えることは、できるだけ続けたほうが何でも改善されやすいということだけで、続けることがベストだったかの判断は誰にもわからないってこと
悔しくても、「コイツを自分の手のひらの上で転がしてやろう」というくらいの気持ちで
当時お世話になっていた職人さんの親方に言われた言葉で、結構救われた考え方でした
言いかたを変えれば、「使われているフリをして便利に使ってやれ」ということでもあるのですが、この考え方を頭において働いていなかったら精神ヤラれてたかも・・・
会社にというより、元請の現場監督や、上記とは別の気性の荒い職人さんに対しての接し方で助けになりました
とはいえ、人を利用するような考え方で賛否はあるのでしょうし、長く続けると人格がヤバくなりそうですが、病むよりはいいでしょって感じでした
これだけシンドイ思いをしているのだから、今後たいがいのことには耐えられる
仕事の事以外は何も考えるヒマがないほどの毎日でしたので、何かに挑戦したり、仮に転職したりしても、これ以上シンドイことはないはずだと思って生きていました
ただ、どちらかというと会社を辞めたあとに役立ちました
ある資格を取るために1日14時間くらい勉強をしたことがあったのですが、「あの働き方からしたら勉強の方がマシ」と思えてラクに感じる程でした
起業後にも何かが起こっても、「当時に比べればどうってことない」と開きなおれて、苦労を苦労と思わない感じです
オレがやめたら会社は困るだろうなぁ
当時、優秀な上司が辞めることになり大騒ぎになったことがあります
新人のワタシでも、「あの人が辞めたら○○部はまわらなくなるだろなぁ」と思うような人だったのですが、1週間もするといないのが普通になっていました
小さな会社なのにこの調子ですから、大きな会社なら尚更でしょうね
それにもかかわらず、「オレが辞めたら困るでしょ?」と思っていましたし、事実「お前が抜けると困る」と言われてズルズルと3年も退社を延ばしました
世間のみんなが休んでいるときに働いてるオレってイケてる
お盆休みの最中に歩行者天国でにぎわう銀座で、有名なスイーツショップの改修工事に立ち会っているときなどは、「真夏なのに長袖の作業着とヘルメットで仕事をしているオレを見てくれ!」と悦に入っていました
土日は休めないのが当たり前すぎて、彼女も1カ月に1回会えたらラッキーくらいに思ってくれていましたし
いまは、「世間のみんなが休んでいるときに働いているオレってイケてるけど、みんなが働いているときに休めるオレもイケてる」といった働き方ができるようになりました
やはり今のほうが幸せですね
最後に:無理する必要はないです
いま現在、職場がツラい人はムリをすることはないと心から伝えたいです
当時は比較的前向きな考え方をしていたワタシですが、いまなら仕事を続けずに即やめているでしょうね
時代も変わってブラック起業は叩かれていますし強気で出てもいいはずです
ただ、そうは言っても今すぐに辞めることができない事情のある人も多いでしょう
そのような人が会社を辞めるまでの間、少しでも気の持ちようをかえて病まないでいられるよう応援しています
何よりも自分を大切にしてください