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起業前には考えもしなかった、起業後に気づくジレンマ【でも楽しい】

ワタシは現在(2019年)、起業して10年目です

事業も安定して色々なことに興味が移り、何にでも手を出すということの無いように、情報を慎重に選ぶようにしています(となりの芝生は青く見えますね・・・)

起業前に考えていたことと、起業後に考えるようになったことで1番の違いは、「なるべく自分の時間を大切にしよう」と言うものです

たとえば、20代と80代では、お金や時間などに対する価値観が異なるのは当然でしょう

また、30代くらいからは健康に対する考え方にも変化が見られる人が多いのではないでしょうか

家族がいるかどうかによっても、それぞれの優先順位は変わってきますよね?

いくら経験者の立場から若い人に、「こういうことに気を付けたほうが良いよ」と言っても、ほとんど伝わらないと思います

こういうことって口で言われたり本で読んだりしても、経験しないと分かった気になるだけでしょうから(ワタシもそうでした)

ですが、「そんなことになるんだなぁ」と思ってもらえるだけでも誰かの役に立つかもしれませんので、脱サラをしたとき(10年以上前)の自分にアドバイスをするつもりで書いていきます

「職人」系の仕事は時間に追われます

手に職をつけて起業したいと思い、退職をしてその夢を叶えたワタシは、起業当初は自分が描いた通りに仕事をしていました

「手に職をつける」といったことで独立しやすくなる仕事は、職人気質の人が選びやすいです

整体師さんや鍼灸師さんなどの資格業、プログラマーさんやデザイナーさんなどの制作業などは、自分の思い通りに商品を提供したいという気持ちが仕事の原動力となっている人が多いです

そのため、終わりのない完璧さを求めてしまい、いくら時間があっても足りないという状況になるようです

税理士さんなどの士業の人たちも同じようで、ワタシの知り合いの税理士さんは、ほぼ休日を取ることがなく、夜は0時過ぎにメールが来たりします

整体師の知人も、「施術は自分でやらないと気が済まない」と言って、人を雇おうとしません

このように職人気質の人は、どうしても自分の時間を削って自分で全ての仕事をしようとしてしまいがちです

もちろん、最初のうちはどんな仕事でも、「自分でやる」というような姿勢は必要なのでしょうが、自分の経験上も知人を見ていても、このような働き方は3年程度が限界だと思います

ワタシも最長11ヵ月休みなし、電話の発着信が1日100件以上、5時起きの翌3時まで仕事など、なかなかのハードワーカーになっていました

会社員のとき以上に時間が無くなります

経営者と言えば聞こえは良いですが、実質は「その会社で1番働かなければならない長時間労働者」となっている人が大半です

「自分にしかできない仕事」を見極めて、人に任せても大丈夫な仕事を社員にしてもらうか外注さんにお願いしないと、会社員として働いていたときより多忙になるのが普通です

なぜなら、勤めているときは営業・事務・経理などと部署ごとに分けて何人かでしていた仕事を、すべて自分ひとりでやる事になるからですワタシも、細かい経理処理や封筒の宛名書きなどが苦手で、すべて外注しています

そうでもしないと、食事の時間すらとれなくなっていました

「眠たくなるから昼ご飯抜き」は当たり前でしたね(ちなみに元々朝は食べませんので1日1食の日もありましたし、晩ご飯すら「もういいわ」という日もありました)

人を雇うかどうかは、自分の気質を考えて慎重に判断してください

起業して2年ほど経つと、一人ではこなせないほどの仕事量になり、人を雇おうとしたことがあります

ですが、仕事を教えることの煩雑さや1人で仕事をすることの気楽さとを天秤にかけて、結局は募集を取りやめました

何人もの応募者と面接をしていて、「たくさん人を雇うことが自分の望んでいる形なのか」と自問し、最終的には自分1人プラス事務員さん、それでも追いつかなくなったら外注さんにお願いするという形に落ち着きました

実は、知人の社長からの紹介で社員を雇ったことがあるのですが、ワタシの性格上の問題と、相手が年上だったこともありうまくいきませんでした(というか、お金を持ち逃げされて終わりました・・・)

拡大志向で、「将来は上場したい!」「人を雇用することが社会のためだ」というような願望がある人は良いのですが、ワタシのように1人が好きで何事にも縛られたくないタイプの人は、忙しいからといって人を雇うと、かえって煩わしくなる可能性があります

とは言え、自分だけではすぐに限界が来てしまいますので判断が難しいのですが、一度人を雇うと簡単には辞めてもらえませんので慎重に考えてください

勤務していた会社のことは忘れましょう

まれに取引相手や営業マンの人にいるので、伝わらないのは承知で書いておきます

元の勤務先の名前を出して、「以前は一部上場の○○○○にいました」とか「大手の○○○○と取引のある会社にいました」のような紹介をしてくる人がいます

聞いていると確かに実績は凄いのでしょうが、いざ一緒に仕事をしてみると、いま一つの人が多いです

これは、こちらが期待しすぎる部分もあるのかもしれませんが、よほどの実力が伴っていないのであれば逆効果なことが多いような気がします

起業したからには、自分の力量と責任において仕事をするべきで、他力本願な考え方はやめておいたほうが無難です

もちろん、それに乗っかれる実力があるのであれば、ブランディングとして有効なのでしょうが・・・

自分の納得がいく仕事を突き詰めようとすると消耗します

「最初から最後まで自分の目が行き届く仕事をしたい」という気持ちで退職をし起業しましたが、自分の時間をどんなに使っても1日24時間しかありません

全てを自分がやろうとするとできる範囲は限られてきます

一人でやりたいタイプの私にはここが一番の問題で、退職時の考え方との ギャップが激しいところです

この部分の折り合いは、ワタシにとって永遠の課題かもしれません

ケツをたたいてくれる上司がいないことが、マイナスになることもあります

退職後や起業当初は後がありませんから、誰でもヤル気に満ちています

しかし、今まで書いてきたような理由で精神が消耗すると、モチベーションが下がる場合があります(体力の消耗よりも深刻です)

また、事業が軌道に乗ることにより、時間やお金に余裕ができると、「今のままでも十分だから」と言う気持ちが芽生えて来る人もいます

1度落ちたモチベーションをあげるのは結構大変です

ワタシは、5年ほど仕事に対する情熱を失った時期がありました

会社員のように、上司がいて怒られたり注意されるようなことがありませんので、自分で自分に火をつけられるタイプの人でなければ目標を見失いやすいです

自由がきき過ぎます

そういうわけで、自分で自分を制御するチカラが無いと、ひたすらにサボり続けてしまえます

自分が求めた自由ではあるのですが、自由すぎるのも問題になりえます

特に独身で一人暮らしの人は注意してください

昼過ぎから 飲み始めてしまう毎日になり、「このままではだめだ」と奮起して、家を買い結婚した知人がいます

このように環境を変えないと、自由さが裏目に出る場合があることを覚えておいてください

結論:勉強をして、将来に備えましょう

ワタシは人的規模に関する拡大志向がないので、なるべく少人数で出来る範囲で最大の利益が出る業務形態を作ることに注力しています

それと、一度作ったら繰り返し使える仕組みづくりを常に考えています

これらのやり方は、色々な本で紹介されていますし、すでにそのような事業の仕方ができている人たちが、本以外の方法でも教えてくれる場を提供してくれています

社会人になると、勉強をしなくなる人が多いのですが、自分で将来を切り開いていかなければならない経営者は、常に勉強を怠らない姿勢は必要になります

ワタシは、動画や音声では学習ができないタイプなので、本を読むようにしています
ですが、動画や音声の方が頭に入るという人も多いです

いずれにせよ、勉強を続けることで知識をブラッシュアップし、自分の望む方向に進んで行かなければ、いずれは停滞してしまいます(ワタシは、勉強をしていましたが5年ほど停滞しました・・・)

時間は取り戻すことができませんので、常に先を見て将来に備えましょう

なお、起業後の超多忙なときに、知人のススメで呼んだ以下の本は、職人的な仕事のやり方から真の経営者への移行を促す内容で、一度は読んでみてほしい本です

タイトルのニュアンスと内容が違う印象なのですが、 Amazon レビューも4以上の高評価です

はじめの一歩を踏み出そう―成功する人たちの起業術

(書籍の方も物語調で読みやすいですが、コミック版も出ているようです:コミック版 はじめの一歩を踏み出そう 成功する人たちの起業術)