お金を貸した相手の財産を差し押さえるには、裁判を起こして判決を勝ち取らなければいけません
さらに、その勝訴判決をもとに差押えを申立てる必要があり、とにかく時間がかかります
その間に財産を隠したり使われてしまったり、相手が逃げてしまう可能性もあります
公正証書で契約書を作っておくと、上記の裁判手続きをすっ飛ばして、いきなり差し押さえをすることが可能になります
それでは、先に費用を払ってまで公正証書を作っておくことで、できるようになることを説明します
差押えまでの時間を短縮できる
たとえば、公正証書の中で決められた返済日が10月1日であれば、10月1日に支払いが行われなかった時点で、すぐに裁判所に差押さえを申立てることができます(事前に準備しておけば10月2日に申立てができます)
裁判を行うと、少額の取り立てであっても判決をもらうまでに最短でも2ヶ月半くらいかかりました
相手が裁判を引き伸ばそうとして、とんでもない主張をしてくることもあります(裁判官に認められないと分かっていつつダメもとで)
そうなれば判決が出るまでに、さらにプラスして1ヵ月~2ヵ月かかることもあります
そうこうしてようやく勝訴しても、そこから差押さえのための手続きを行うので、さらに1ヶ月くらいかかってしまいます
公正証書による差押えと裁判による差押えでは、スピードの差は歴然ですよね
公正証書を作ると、なぜ取り立てがしやすくなるのか
それは、「この公正証書に書かれている期日までに支払いをしないと差押さえをされても文句は言えません」という文言が入っているからです
これを、強制執行認諾文言(きょうせいしっこうにんだくもんごん)と言い、裁判をして勝訴判決をとらなくても差押ができるという、非常に強い強制力が手に入ることになります
裁判を行うと、自分でするにしても手間と時間がかかり、 法律資格者に頼むと別に費用がかかってしまいます
そのムダを考えれば、少額の手続き費用を公証役場に支払うだけで済む公正証書での手続きは、非常に使いやすいと思います
借金をしている相手にも、公証人の先生が説明をしてくれることも大きなメリットです
公証人の先生がどちらかの味方をするということはないのですが、元裁判官等の経験上、相手を諭してくれるような場合もあります
法律の専門家である公証人の先生が、差押えをされる可能性があるという説明をしてくれますので、相当なプレッシャーにもなります
比較的年齢層の高め(おおむね60~70代)な先生が多いので、なんとなく威厳もありますし
まとめ:公正証書を使って、取立てを有利に進めましょう
公正証書を作っておくことで、お金を貸した側が有利に話を進めることができるようになる理由を説明しました
公正証書は思いのほか安く作成できますので、ぜひ活用を考えてみてください